第5回 宮崎大学                                 多様な留学生への日本語学習機会の提供 


 

  宮崎大学では24か国から約140名(2024年度)が留学しており、日々、学習や研究を行っています。分野は、教育、工、農、医、地域資源創成の5学部から成り、留学生は7割が大学院生、3割が学部留学生です。特に農学、工学、医学、獣医学の分野に多い傾向です。

 

 大学院では英語で学ぶため、留学生の多くは日本語学習を必須とはしていませんが、学生生活の充実、母国と日本との懸け橋、将来の就職などのため、全留学生に向けて日本語教育を提供しています。

留学生の様々なレベルやニーズに対応できるように、入門レベルから超上級レベルまで7段階の日本語科目があり、また、技能別のクラスもあります。毎週の授業回数も、週1回のクラスから集中的に取り組むことができるクラスまで様々です。

 

 また、留学生の日本語、日本への学びを広げるため、クラスの留学生の学習希望などに合わせて、学部や地域と協力しながら学外学習も行っています。

 

 宮崎県内の外国人住民はこの10年で2倍以上に増加していますが、一方、日本語空白地域が多いことが課題です。宮崎大学では、令和元年に社会人向けの「宮崎大学420単位時間日本語教員養成プログラム」を開講しました。令和6年度の閉講までに20代から70代までの海外籍4名を含む98名の幅広い修了生を輩出しました。修了生らは、地域日本語教室や日本語学校、海外などで活躍しています。

 

 また、地域との連携として宮崎県国際交流協会から宮崎大学が受託した「日本語講座」を学内で開講し、課外で日本語を学びたい大学院の留学生や留学生の家族、近隣の在住外国人に日本語学習機会を提供し、ここでも修了生が活躍しています。

 

 また、日本人学生が日本語教育に関心を持つ機会として、学生を台湾などの海外協定校の日本語学科へ短期留学させて日本語教育に触れる機会を創出しています。

 

宮崎大学は、より豊かな多文化の息づく地域・社会に向けて、地域や海外大学等と広く取り組んでいます。

 

 

 (文:宮崎大学 国際連携機構 伊藤 健一)

 

 

宮崎大学 国際連携機構 多言語多文化教育研究センター 日本語教育部門

https://www.miyazaki-u.ac.jp/language/japanese/

宮崎大学 国際連携機構 国際連携センター

https://www.miyazaki-u.ac.jp/kokusai/

 

教育学部と連携した学外学習:宮崎総合博物館、宮崎県立美術館の見学 (「上級日本語Ⅱ-B」 担当:小柴裕子)
教育学部と連携した学外学習:宮崎総合博物館、宮崎県立美術館の見学 (「上級日本語Ⅱ-B」 担当:小柴裕子)
令和6年度「外国人住民による日本語スピーチコンテスト」(主催:宮崎県国際交流協会) 留学生の部最優秀賞 本学留学生         サヌ・サリアさん(ブルキナファソ)
令和6年度「外国人住民による日本語スピーチコンテスト」(主催:宮崎県国際交流協会) 留学生の部最優秀賞 本学留学生 サヌ・サリアさん(ブルキナファソ)
自国の道徳教育を向上させて環境問題を改善したい留学生のエコクリーンプラザ宮崎の見学                      (「日本事情概論」 担当:伊藤健一)
自国の道徳教育を向上させて環境問題を改善したい留学生のエコクリーンプラザ宮崎の見学 (「日本事情概論」 担当:伊藤健一)
「宮崎大学420単位時間日本語教員養成プログラム」修了生が講師を務めた 「日本語講座」                                                  (委託:宮崎県国際交流協会、受託:宮崎大学)
「宮崎大学420単位時間日本語教員養成プログラム」修了生が講師を務めた 「日本語講座」 (委託:宮崎県国際交流協会、受託:宮崎大学)