福岡日本語学校は、日本留学のための語学習得を目的として2004年に設立され、昨年、開校20周年を迎えました。2015年には姉妹校として福岡市内に、いろは日本語学校を開校。これまでに40を超える国からの留学生を受け入れ、数多くの卒業生が世界中で活躍しています。
設立当初は定員100 名の小規模校でスタートし、韓国、中国からの留学生の増加とともに徐々に定員数も膨らみましたが、2011年の東日本大震災を境に日本留学を志望する外国人の多様化が進み、また東京オリンピックの開催や少子高齢化という社会背景もあって、日本語学校に求められる役割は語学教育にとどまらず、以前にも増して多様な文化を持つ外国人と日本社会の水合わせを担う必要性に迫られることとなりました。
そのような変化に対応すべく、2013年に「自立し自律した個人の育成」を理念とした経営計画を策定し、日本での生活のみならず、進学先、就職先で必要となる日本語の習得と、日本語教育を通じた留学生の異文化理解を促進し、自国文化との違いに葛藤しながらも新たな価値観に至る過程に寄り添うことをモットーに日本語教育を行っています。
理念を基に運営する二つの日本語学校では、学校行事の共催や学生寮を共用しつつも、教授法においては異なるアプローチを採用し、入学希望者のニーズ、レディネス、ビリーフに応じて適切な学習機会の提供に努めています。また、日本語教員と同時に多文化、多言語に対応できる外国人職員を充実させ、協働して学習や生活のサポートにあたることで、留学生と教職員が相互に異文化理解を進め、尊重しあえる校内環境を目指しています。
「日本人と関わるために日本語を学ぶ外国人が、日本語で活躍の場を拡げ、日本の高等教育機関で専門性を身に付けて為すべきことを定め、日本で異文化に触れて自文化との違いを自認し、新たなアイデンティティを確立させ自身の行動規範を持つ。」そうすることによって、何が起こるかわからないランダムな未来に不安を持つことなく、自信を持って国際社会を自由に闊歩することができる「国際社会のランダムウォーカー」として活躍してくれることが私たちの願いです。
(文:





コメントをお書きください